不調の原因
身体の仕組み
解剖学的(物理構造的)な分類
・中枢神経
‣脳(更に大脳、小脳、脳幹に分かれる)
‣脊髄
・末梢神経
‣脊髄から伸びてゆく神経
樹木に例えますと、中枢神経は樹木の幹に相当する部分で、末梢神経はその枝葉に相当します。脳から発せられる指令は幹を伝い、幹から枝葉へ向かって伝わっていきます。
一方、熱い冷たいなどの感覚や痛みなどの刺激は、枝葉から幹へと、逆らうようにして伝わっていきます。
脳は更に大脳、小脳、脳幹に分類でき、特に脳幹は“最も基本的な脳”とされ、生命維持において重要な役割を果たしています。
生理学的(機能的)な分類
・自律神経
‣交感神経
‣副交感神経
自律神経は主に内臓の働きなど、生命維持に欠かせない機能を制御する役割があります。“自律”ですので、自分の意志で制御することは出来ません。交感神経は活動に寄与し、副交感神経は、休息に寄与することが有名ですが、厳密には、もっと緻密な働きをしておりまして、例えば、眼の、入射光量を調整する瞳孔は、明るい場所では小さくなりますが、これは副交感神経の働きによるものです。対して、暗い場所で瞳孔が開くのは、交感神経の働きです。このような仕組みとなっている諸説としては、闘争時や緊急時に、よりたくさんの光を取り入れて、視界を確保するためだと言われています。ですので、交感神経は緊急時、闘争時の生命維持に関わる神経とも言えます。
交感・副交感神経の働きの“度合い”は常に連続的に変化しており、何方かだけが働くといったものではありません。
・体性神経
‣運動神経(遠心性)
‣感覚神経(求心性)
歩いたり、立ち上がったりなど、運動に寄与するのが、運動神経です。また、眼球を動かしたりするのも、運動神経の働きによるものです。
一方の感覚神経は、主に五感に代表されるような、外部からの刺激を、脳へ伝達するための神経です。運動神経は自分の意志で制御することが出来ます。
“天下の大患は、其の大患たる所以を知らざるに在り・・”
上の言葉は、吉田松陰の言葉の一部です。天下というのは国、国家という意味ですが、この『天下』を、『自分』に置き換えてみると分かり易いと思います。
病気を治す前に先ずは、自身の状態(病気・症状)を知ることがとても重要で、すべてはここから始まります。これを無視して、良い結果は得られません。
治療家はその時点で最高の治療を提供する責務がある一方で、治療を受ける側にも、身体を自分自身で知り、状態を把握し、日常生活などにおいて、病気になりにくい思考、精神づくりに努める必要があります。
また、この思想は万物に対して普遍であり、なにも治療に限ったことではなく、自宅の改修や自動車の整備など、日常に浸透しており、掻い摘んで申し上げれば、『何事も他人任せでは駄目』であるという事です。
症状が発生する機序
各種症状は、生体がバランスを保とうとするときに発生します。ですから、症状のみを追求するのは誤りです。
各種症状、病気の原因は、椎骨に存在する歪みが元となっています。
椎骨とは、いわゆる背骨がわかりやすいですが、厳密には首の骨(頸椎)、背中の骨(胸椎)、腰の骨(腰椎)を構成する一個一個の骨のことです。ちなみに仙骨は、一体のものと捉えられますが、当院の治療では、分かれているものとして捉えます。
背骨の中には、神経が通っています(中枢神経)。その神経の枝分かれ(末梢神経)が、椎骨の間から伸びていき、その先にある筋肉や内臓の働きを制御します。
椎骨がゆがむと、椎骨との間から出ていく神経が圧迫されます。実際症状が出ていなくても、小さな圧迫が複数の個所で起こっています。
しかし、この椎骨のゆがみが蓄積して、神経に対する圧迫が強くなってくると、床にあるものを取ろうとしたら腰に痛みが出た、体をひねったら急に痛みが出たなど、少しの動作がきっかけで症状が現れます。症状はいきなり現れても、症状の原因自体は、ずっと前から体に蓄積されているものだと認識してください。
また、椎骨のゆがみにより神経が圧迫されると、信号の伝達が妨害されて、それにより内臓の働きも低下します。また、筋肉は力を入れていなくても、常に一定の張りを持っています。これを筋トーヌスといいますが、ゆがみにより神経の圧迫が起きると、この筋トーヌスにも偏りが生じるので、いわゆる猫背など、姿勢の異常も生じます。
歪みの原因
1)打撲・圧迫
転倒や落下、事故などにより体に大きな衝撃を受けた。記憶にあるものだけでなく、生まれてから現代までのもの全てです。交通事故、スポーツでの衝突等、色々な衝撃です。
2)切り傷・手術・火傷
これらは、傷が治っていても歪みとして残っている場合が多いです。火傷や切ったことにより、皮膚、筋肉のバランスが変化します。内臓の一部を切除しても体のバランスは変化します。これらのバランス変化が骨格全体の異常に繋がり、痛み、凝り、しびれを引き起こします。
実例
落下によって頭部内の出血があった人で、 頭痛と肩こりの人がいました。検査してみると、頭部の手術痕があり、そこを治すと頭痛も肩こりも解消しました。非常に小さな面積でしたが、身体への影響は大きかったようです。手術は必要ですが、そのあとの手入れも重要だった例です。
3)マッサージ
体を楽にする為のマッサージが、まったく害になることもあります。軽くなぜるようなマッサージは効果が高いのですが、問題は、強ければ強いほど良く効くと勘違いしている方達です。
もし、強いのが体に良いのであれば、乳幼児もしくは重症で闘病中の方にも行ってよいはずですが 当然、結果は分かると思います。筋肉が固いのは原因があるということに着目しましょう。
無理やりマッサージで柔らかくすると逆に他の部分が硬縮し、いつ迄も問題が残った体になります。
また、肘や棒で背中などを押さえるとその部分が歪み、更なる問題も発生します。
マッサージ店、理髪店、家庭でのマッサージも同じです。頭頂から足底まで、全ての部分は骨格に影響しています。
4)日常的な癖
膝を組む、足を重ねる、腕を組む、頬杖、腕枕など、誰でも行っていることですが、骨格の歪みに大きく影響します。
癖をしたからと言って直ぐ症状が起こることは少ないですが、知らないうちに深い歪みとなり、打撲や手術痕と組み合うことで症状が発生することになります。
癖の圧力は、自分では全くわかりませんが、日常的に行うことで大きく背骨に影響しますので、今、この時点で止められることを勧めます。
財布などをズボンの後ろポケット入れた状態で椅子に座ることは、おしりを圧迫するため、ゆがみの原因となります。
5)各種アクセサリーなど
ピアス、ネックレス、ブレスレット、ヘヤーピン等金属製のもの。5本指靴下、土踏まずを支えるような、凹凸のある中敷きおよび靴は、不調の原因となっている場合があります。
6)ストレッチ 、ヨガ
体が硬い、関節が硬い時は、ストレッチが一番効果的だと思われがちですが、ストレッチを日常的に長年行ってきた人ほど、身体の不調を訴える人が多いのも事実です。
実際、触診で大きく歪んだ背骨を軽く触っただけで眩暈を起こし倒れる人が何人かいました。
通常ではありえないことですが、その人たちに共通したのがストレッチを趣味の様に行っていることです。中にはヨガ講師もいました。
関節の状態を知らせる体のサインを無視し、ストレッチを続けると大事な体を自ら壊すことになります。
症状、病気に対する考えを改めましょう
症状が出るのは体が正常であるという証です。肩、首筋のコリ、頭痛など、種々の症状は、現時点の、体の状態を示していて、別の言い方をすれば、治癒力が働いて、調整しようとしている状態です。ですので本来は症状が出た時が、治療をするベストなタイミングです。
一方、慢性化した症状の場合は、治癒力の低下が考えられますので、改善するにも、相当の時間を要するとお考え下さい。
例として、ため池の水位が十分に高い場合(健康な状態)は、底に沈んでいるものや、底の形は分かりませんが、水位が下がった状態(病気になった状態)では、沈んでいるものや、底の形を容易に把握することができます。
これは身体でも同じで、健康な状態(水位が十分に高い状態)では、症状は出にくいですが、病気になったときや内臓の機能が低下したとき(水位が極端に下がった状態)に痛みなどの症状が現れます。
考え方は健康状態に影響します
痛いからと、くよくよ考え込んだり、ネガティブな思考に陥ることは、余計に症状を悪化させます。繰り返しになりますが、症状が出ているのは身体が正常であるという証です。
身体と上手に付き合っていくには、体が発するメッセージを受け止めることです。そして治療を受けて、原因を取り除き、再発しにくい状態へと持っていくことです。
